仲﨑邸

備前福岡 仲﨑邸

「商都」の繁栄を彷彿させる名建築 

「福岡千軒」と謳われた「商都」の繁栄をも彷彿させる名建築

仲﨑邸は瀬戸内市長船町備前福岡景観形成重点区域の東小路に面し妙興寺の北側に位置しています。明治時代末期から大正時代にかけて建てられた邸宅からは、中世より育まれた人・モノ・財力・情報の一大集積地「商都・備前福岡」の豊かさと、それをひけらかさない趣味のよさや奥ゆかしさも伝わってくる不思議さがあります。
 施主の仲﨑善吉郎氏は控えめな性格ながらも建築にかなりこだわりをもっていました。その思いを地元棟梁の東原佐之吉氏と職人集団が見事に体現。識見と財力を駆使し、各地から最高の材料を仕入れ、それをつとめて自然に、しかし相当こだわっり施行されているのが随所に見られます。例えば瓦は葺く位置に合わせて一枚一枚が特注。新聞紙でくるみ葺く位置を記して馬車に運び込まれたそうです。
 そうして10数年かけて丁寧に建てられた仲﨑邸は、純和風邸宅に見えますが随所に進取の気象が見られます。
建設時は西洋建築がもてはやされた時代。仲﨑氏もその潮流の中で、大黒柱をあえて設けない工法を採り、ガラスを多用し、天井裏には当時の民間住宅では珍しい西洋のトラス工法を施し、2階の一室は洋間を設けるなどこの住宅にはその新しい時代の影響が見受けられます。

地元名棟梁のもとに最高の技と素材が集結

12m以上もある真っ直ぐな一本松の梁、樹齢数百年は経た松を使用した床板、三味線の棹などに使われる非常に硬い紅木を使った床框を始め、数々のこだわりを見ることができます。

◎建具師の技

障子の下側に注目すると縦の桟が敷居に当たらないような手間のいる工夫が施されています。これは敷居を傷めずすべりをよくするためなのですが、岡山県では、岡山幸楽苑延養亭、倉敷の大橋家など有数の建築にしか見られない希有な仕事で建具師の匠の技が偲ばれます。

◎石工の技

一枚ものの御影石をくり抜き敷居石と沓石が一体となっている玄関の足元、縁側を支える手の込んだ束石、畳一枚分より広い沓ぬぎ石ほか石の見所も満載。仲﨑邸完成後、も石工たちは「仕事が無くなれば仲﨑邸に行け」と言っていたくらい当主は石道楽でもあったそうです。

◎瓦職人・瓦葺職人の技

門屋根の桟瓦葺きに注目。一般的には波頭側かが左にあるが、この門の屋根は左右対称になっており中央列に特注変形M字型を葺いて、なんともしゃれたおさめ方をしています。

2階の床の間にある分断形式の床柱。この柱の断面は同心円の年輪ではなく意表をついた柾目になっています。

襖の引手の意匠は、部屋単位で異なっています。そのために襖の表裏で引手はすべて異なっています。

切妻屋根破風の袖瓦の継ぎ目の線が屋根傾斜ではなく地面に対して垂直になるように凝った工夫がされています。

開館日 :土・日曜日(年末年始をのぞく)
開館時間:10:00~15:00
観覧料 :100円(高校生以下無料)
瀬戸内市長船町福岡688
駐車スペース隣地にあります。

仲﨑邸の案内パンフレットも配布中。

築100年の古民家『仲﨑邸』(黒田官兵衛PR館)公開中

黒田官兵衛ゆかりの黒田家“礎”の地『備前福岡』に残る築100年の古民家『仲﨑邸』が、地域住民が中心になって再生・公開されています。材木・瓦・石と建築主がこだわった「仲﨑邸」は必見の価値あり。2階には仲﨑家の什物、備前福岡と黒田官兵衛のかかわりがわかるパネル、地元だけの官兵衛逸話のパネルなど展示されています。
官兵衛関係グッズや特産品の販売、喫茶コーナーもありますのでぜひお立ち寄りください。